私たち占い師はタイムトラベラーであるな、としみじみ思う。
遠い過去を見て、今を見て、自らの寿命を超えた先の未来を見る。
とうの昔にこの世を去った人々に出会い、今に生きる人々に出会い、未だ生まれぬ遠い未来の人類に出会う。
この世界はそれぞれの時代のレイヤーが重なった「ゼロポイント」だ。
そして占星術師はホロスコープという名のポータルを使って、それぞれのレイヤーへとアクセスをするのだ。
過去現在未来の私たちの悲しみや喜びは、独特のエネルギーフィールドを形成しながら、各時代のレイヤーを彩る。
ゆえに「ここ」は「思い」が濃い。
濃いがゆえに、人は誰もが「上澄み」に行きたがるだろう。
混沌など存在しないかのように。
でも、私たち占い師は、「最も濃い」場所へと降りていき、そこに火の灯った蝋燭を置いてくるのが役目なのだと思う。
誰のことも「連れてくる」ことはできないゆえに、過去現在未来のあらゆるレイヤーに、ただただ灯りを置いてくることが我々の仕事なのだ。
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