幼少の頃に両親が離婚し父親不在の家庭で育ち、
父が此の世を去るまでの最後の約10年ほど交流の再開があったけれど、
喧嘩をするほど距離が縮まることもなく、
離れていた期間をどう過ごしていたか、などという空白の時を埋めるような会話も特にしなかったように思う。
そのため、私にとって「父親」という存在は全く未知の「種族」であり、
多感だった時代、同級生らの言う「父親への不満」を耳にしては、まるで異国の世界の出来事のようにあの頃は聞いていたのだった。
アラフィフとなった今、
「ああ、父だったらここで何と言うのだろうか」
「どのような助言をくれるのだろうか」
と、そう思うことが度々ある。
しかし、その思いに明確な答えはやってこないのだった。
昨夜はそんなことが特に思い出されて、ベッドの中、暗い天井をただじっと見つめていた。
すると次第にぼんやりと、暗闇の中に土星の占星術記号が浮かび上がったかと思うと、私の脳内をパアッと明るく照らしたのだった。
ああ、そうか。そうだった。
これが「父親」なのだ、と。
父はこうして星になって、いつもそこで道を照らしてくれていたんじゃないか、と。
幾度となく私に助言をくれていたんじゃないか、と。
フルフルと震える魂の音を聞きながら、
その星の言葉の一つ一つを拾い集めながら、
私はいつの間にか深い眠りについていた。
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