これは制作途中の仏面。
仏師の師匠の元に通っていた時に彫り始めたが、途中になったままのこれ。
手を止めてもう10年以上の時が経っている。
帝釈天を手本にしたものだけれど、今はもうあの時のように彫刻刀を扱える自信はないから、これは永劫に未完のままかもしれない。
ひょっこり阿字を彫ったものも出てきて、空海に縁の深い島に住んでいるだけに感慨深し。
一生懸命研いだ跡の見える道具たちが愛しいな。
研ぎが甘くて、師匠に彫らせてもらえない日もあったよなあ・・・
(´-`).。oO
しかし、これも「時間」という名の幻想だな。
時間とは、連続しているように見えて、独立したスライドのようなもの。
タイムカプセルのように出会う過去の写真は、今この瞬間もここで展開しているリアルに他ならない。
「私」を「唯一人」、と数えるからカラクリを見誤るのだと思う。
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