母は女優のように美しい女性だった。
しかし残念ながら私は母親に似なかった。
「お母さんに似れば良かったのにね」と言う親族からの言葉は何度聞いたことだろう。
それは暗に「お前は醜い」と言っているのだ、と幼いわたしは了解したのだった。
太陽の下で朗らか歌い、カラフルに可愛らしく着飾るインコは誰からも愛されるのは当然だろう。
しかし、人々に忌み嫌われる不吉な鴉の濡れ羽色もまた美しいものだと私は思う。
闇には闇の美しさがあるのであり、そこには静寂の言葉がある。
そして星の光は、日の当たる庭にも闇夜の森にも、同じように降り注ぐのである。
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