わたし、これまでの人生の内、一回だけ木が喋るのを聞いたことがあるんですよ。
そりゃあ、「この木、優しいエネルギー発してるなあ」とか「頑固だねえ」とか「女性的だ」とか、そういう【なんとなくのエネルギー】みたいなのは感じたりはしてたんですけれど、本当にね、一回だけ、木が確かに喋ったのを聞いたことがあるのです。
あれは高校生の時だったかなあ・・・
母が運転する車の助手席に座って、信号待ちにぼんやりと開け放った窓から外を眺めていたんですよ。
そうしたら植木屋さんが生垣の手入れをしてるのが見えたんですよね。
ほら、こう、塀みたいな感じになるように木をトリムしていたわけです🌲
そしたらね、その木がですね・・・
「もうさ、このカット恥ずかしいんだよね」
って言ったのですよ。
ええ、
確かに言ったのです。
空耳じゃなく。
…… そうか、あのカットは恥ずかしいんだねw
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